ブッダ物語U 11
これが主観と客観が一体となった状態。つまり解脱した状態です。
仏教では、この段階が心に定着し、二度と外界の雑念に捉えられなくなった精神レベルの人をアラハンと言います。
人間の行動のベースとなる心、口、意(しん・く・い)の3つのうち心と口(心の言葉)が一体となった状態です。このレベルになるだけでも幾重にも渡る転生輪廻を通した長い修行が必要な人がほとんどです。
瞑想に関しては、あせらずゆっくりと何十年単位で行っていくべきもので、なによりまずブッタの様なしっかりとした先生につくことが必要です。
また、ガチガチの戒律主義者になったり、身体に無理してまで瞑想したりすることはお勧めできません。
ブッタは中庸(ちゅうよう)といって何事も自分のレベルに合わせたバランス感覚が必要だといっています。
ブッダ物語U 12
次に、このうちで一番重要な「慧」とは、まさに知恵という意味です。
大切なことなので繰り返しますが、仏法における知恵とは、お金を儲けるための智恵でも試験に受かるための智恵でもありません。
それはまさに目には見えず触れることもできない、そして言葉でもってあらわすことすらできない「ビッグバーン以前の空の状態」こそが、生命の実体であり本当の自分の姿とは、この「空」であるということを悟ることにあります。
それは、時間や空間を抜けでた永遠の状態であり、魂の持つ本物の自由のことなのです。
これを完全に理解しきったアラハンの状態に到達した段階で二度と生まれ変わることはありません。
なぜなら、ひとつの時空の中にある文明から生まれる物欲やとうさつした欲求に対する執着から完全に解放されているからです。
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